■松尾太一。プロフィール
鳶職から花人の世界へ転職?転身?の理由を多々質問される。
職業として見ると全く違う仕事だと感じるだろうが、
僕にとっては表現するための手段&材料が変わったに過ぎない。
鳶職の頃は地面より上に上に&“空”という大きな空間に 鉄パイプで絵を描いている&彫刻作品を作っているに程近い感覚であった。
ただ鉄パイプだけでの表現に飽きてしまったのであろう。
他の素材でも物を作りたい。と同時に考えるようになったのだ。
では、なぜ“花”を使って表現したいと考えたのか?
当時20才そこそこの若かった僕は“その事”“その物”“その行動”に対して
全て“枠”か“ぬるい”かという事をバロメーターにして
判断して生きていた。
肉、魚、野菜という粋な素材=“なまもの”と感じたのである。
食材でも良かったのであろうが、
より生命力&生命を感じる植物を素材に表現したい。と思い&考えたのだ。
実際に花を咲かせ、生命を伝えてゆく“実”や“種”を残す。
その花々も咲いたり、しぼんだり、僕にとっては
“リアル”に生命力を感じたのである。
植物の生命力をテーマにした作品作りはいまだに
何にかわることなく楽しい。
植物の生命&生命力を感じとり、それを伝えようと作品にする。
生花素材の表現にとらわれず“芸術”している樹脂作品や映像作品も 同じテーマでの“芸術”作品として製作している。
どれも最高に楽しいのだ。
数年前にコシノジュンコさんの店頭に巨大オブジェを製作した。
ジュンコさんの芸術洋服からインスピレーションを得て製作したものである。
僕とオブジェの取材に来ていたTVカメラに向かって
「この人は彫刻家です」と語ってくれた事は
今でも鮮明に残っている。嬉しかった。
そう、花=花屋さんの印象が強いが、花屋さん=表現者なのである。
僕は自らを芸術家だと信じ活動している。
そして前衛的に活動しているつもりである。 “前衛芸術家”として、パフォーマンス&製作&表現に
日々明け暮れているのである。 |